やさしい炎がゆらゆらゆれています。炎にはどこか温かさがあって、見ているだけで心がほどけていきます。ゆらゆらとゆらぐ炎のリズムには、心を落ち着かせる効果があるともいわれています。
この灯のもとになっている蜜蝋は、蜂の巣からとれる自然の恵みです。古くは教会や寺院で使われてきたといわれ、長いあいだ人の祈りや静かな時間に寄り添ってきた、貴重なろうそくです。特徴は、煙が少なく、静かに静かに燃え続けて、気がつくと、少しだけの痕跡を残して、そっと姿を消しているような、そんな穏やかな灯りです。蠟が垂れることもほとんどありません。ほのかな蜂蜜の香りや、空気を整える作用があるとも聞き、手元に置きたくなるのも自然なことかもしれません。
火を灯すと、やさしい雰囲気が広がって、ついじっと見入ってしまいます。ろうそくは、幽霊話や災害時の備えの印象もありますが、神社などで灯篭の灯が並んでいると、どこか異次元の世界へいざなうような厳かな気持にもなります。ろうそくの灯は、精霊流しのように魂への祈りに近い感覚を感じるのかもしれません。仏教以外でも、教会や神聖な儀式などではキャンドルを灯すこともあり、人々の中で「灯」は、祈りや願い、亡き人への思いを重ねてきたのかもしれません。
蜜蝋のろうそくもそうですが、日本人の伝統文化のすばらしさも感じます。日本には和ろうそくという独自の文化もあり、今度は、試してみたいなあと思っています。
私が今、使っているのは、鳥居ローソク本舗のお花柄の蜜蝋ろうそくです。少しだけ高級なので、途中で消してしまったりして、もったいない気持ちがでてしまうけれど、大事に灯しています。やさしい気持ちを届けたいとき、今日も蜜蝋のろうそくをそっと灯しています。
ーなぎ

