天窓の家に置いてきたアンティーク家具の思い出

白秋の章

天窓の家に、置いてきた家具があります。

最初は何度もお店に見に行って、学生時代にねだって母に買ってもらった、アンティーク調のデスク。結婚するときには、母からプレゼントされた同じシリーズのタンスです。一緒に買いに行ったことを覚えています。

子どもができると、机の中にはあんぱんまんや戦隊もののシールが貼られ、子どもが勉強机として使ったり、成長すると物入れになることが増えていきました。

それでも、静かにたたずんでいる存在感は大きかったです。

椅子もセットであって、木のままの質感がそのまま伝わる椅子。リビングに置いて植物を置いて飾りになったり、子どもの机に合わせて使ったりもしていました。

タンスは小さな引き出しに、靴下や下着などいれて、大きな引き出しには、Tシャツやセーター、一番下はジーンズやスラックスを折りたたんで入れていました。ひとつ引き出しを閉めると、ふわっと上の引き出しが開くくらい、密閉度がありました。

父が家に来たとき、デスクの取っ手が壊れているのを見て、直してくれたことも忘れられません。

ずっしりと重くて、引っ越しや模様替えも一人では到底運べない家具。天窓のある家を出るとき、重すぎて持ち出すことができませんでした。

ふとしたときに、両親のことを思い出し、置いてきてしまったことへの後ろめたさに、そっと詫びることがあります。

今でも、泣く泣く手放したあの家具の重みが忘れられません。

どこかで誰かの手に渡り、また新しい歴史を刻んでいるといいなと思っています。

ーなぎ

天窓のある家での思い出については、こちらに綴っています。
天窓のある注文住宅での思い出

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